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鹿児島の老舗企業が挑む日本茶D2C――副業のデジタル人材によって生まれた化学変化とは?

副業活用ポジション:

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今回、「lotsful magazine」が取り上げるのは、鹿児島で約70年にわたり日本茶の生産と販売を行なっている、株式会社下堂園の副業人材活用事例です。

同社の売上の約9割が卸売業ですが、その売上も減少傾向にあります。そこで、新たなビジネス拡大を目指し、ユーザーへの販売を目的とした直販(D2C)事業に注力し始めました

しかし、これまでの同社の直販事業は電話などでの注文がメイン。ECサイトは立ち上げていたものの、上手く活用できていないという課題がありました。そこで、lotsfulを経由してECのコンサルティング経験を持つ副業人材のマーケターを採用。

ECサイトの改善からデジタル広告の運用、LP制作、商品企画までD2C事業を加速させるべくさまざまな取り組みをスタートさせています。鹿児島の老舗企業が、どのようにして副業人材を活用し、取り組みを進めていったのか?――株式会社下堂園の専務・下堂薗麻実氏にお話を伺いました。

会社情報

株式会社下堂園 お茶の生産・販売
設立年 1954年
社員数 44名
副業活用ポジション マーケター(デジタル領域)

株式会社下堂園 
専務取締役 下堂薗麻実氏

専務取締役として、「下堂園オンラインショップ」事業を牽引。

同事業のさらなる拡大を目指すべく、副業人材の活用を推進している。

D2C事業に注力するため、副業のデジタル人材を活用

まず、副業人材を活用しようと思ったきっかけを教えてください。

下堂薗氏

当社は日本茶の卸売事業をメインに展開しているのですが、売上が少しずつ減少しています。そこで当社の商品を、ECサイトを通じてダイレクトにユーザーに届ける直販事業に注力していくことにしました。

しかし、今までの売上比率の約90%が卸売の事業で、ECに関する知識を持った社員はおりません。ECサイトなどの事業運営をこれからどのように進めていくべきか、当社を担当するコンサルティング会社に相談したところ、lotsfulを紹介してもらいました。

ECに関するデジタル人材を補強するならば、正社員採用もありますし、外注に依頼するといった方法もあります。

下堂薗氏

長期的なスパンで考えたときに、直販の業務は内製化しておきたい。知識やスキルを蓄積していくためにも、外注などに依頼するのではなく、専門性を有した副業人材に任せながらノウハウを学び、取り組んでいこうと決めました。

副業人材を活用するのは今回が初めてですか?

下堂薗氏

そうですね。今まで副業人材を活用した経験はなく、人が足りなければ正社員採用を行なっていました。しかし、当社のように長い歴史がある会社に入社してしまうと、新しい人も徐々に当社のカルチャーに染まってしまいます。そうした状況を覆すためにも、副業人材という外部の人を入れるべきだと意思決定しました。

今回はlotsful経由で3名の方と面談され、ECに関して豊富なコンサルティング経験を持つTさんを採用されました。その経緯を教えてください。

下堂薗氏

人間性が素晴らしく、専門的なことでも私たちにわかりやすく説明してくれるので、Tさんにお願いすることにしました。また、アドバイスだけでなく、実際にご自身で手を動かして作業できるという部分も決め手になりましたね。

下堂園オンラインストア(https://www.ocha-no-shimodozono.jp/)では、こだわりのお茶と、茶器やお茶受けなどを販売。おいしいお茶の淹れ方やお茶の歴史、生産者を紹介するコンテンツなども充実。

デジタル領域だけでなく、商品企画のアイデアも

Tさんには、実際にどんな仕事を任せましたか。

下堂薗氏

今年の6月からジョインいただき、3ヵ月でGoogleとYahoo!の広告配信を行なってもらいました。他にも、商品の LP制作やECサイトの改修、Amazon内のECサイトの開設を進めてもらっています。広告配信に関しては、出稿料分の売上が確保できましたので、今後さらに伸ばしていくための施策を検討中です。

また、TさんにECサイトを分析いただいたところ、リピート率が高いことが分かったので、それらをベースにしたターゲット選定などを、当社の担当者と話しながら進めてもらっています。

業務において、Tさんからどのような提案がありましたか。

下堂薗氏

お茶に関するニーズを分析すると、「知覧茶」「鹿児島茶」など銘柄での検索数が多いことがわかったので、まずは緑茶を銘柄/品種で選んで飲む人をターゲットにしていきましょうという提案がありました。また、初めて購入する方に向けた「お試しセット」という商品があるのですが、このシリーズにもっとお手軽に買えるセットを作っていこうという話も出ています。

固定観念にとらわれない、新しい発想を得られる

初めての副業人材の活用かつ、完全リモートでのコミュニケーションですが、難しいと感じた点はありましたか?

下堂薗氏

特に問題はありませんでした。TさんとのコミュニケーションはChatworkで行なっていたのですが、スピード感を持って対応いただけて、逆に当社の担当者がそれについていこうと頑張っていて、いい影響をもらっています。Tさんに質問をしても迅速にフィードバックしてくれるので、信頼関係もすぐに構築できました。スケジュールに関してもTさんが設計していただき、それに合わせてこちらも動いていく形なので、取り組みやすいですね。

Tさんとやり取りをしている担当者は、製造部門も兼任しているのですが、これからはECサイトに注力できるよう専任にする予定です。ECサイトの運営を内製化できるように、Tさんの知識やスキルをもっと吸収できればと考えています。

Tさんと仕事を進めていく中で、下堂園さん自身は何か気づきはありましたか。

下堂薗氏

私自身、そこまでECの知識がなかったので、Tさんの意見で「そうなんだ!」と学ぶことが多いですね。Tさんがジョインする前は、どこから手をつけていいのかもわからなかったので、専門人材が入った安心感があります。今後は、別のチームがSNSの運用を担当しているので、そのチームとECをどのようにして繋げていくかも考えていきたいですね。

地方企業が副業人材を活用するメリットは、どこにあると考えていますか。

下堂薗氏

業界のことを知らない人が入ることで、柔軟な発想が生まれる。それが大きなメリットです。当社の場合はみんなお茶に詳しいので、知らず知らずのうちに「お茶はこうあるべき」という固定観念を持っています。

しかし、副業人材は固定観念にとらわれず自由に発想して、私たちが思いつかないようなアイデアを出してくれます。新商品を開発するにしても、当社の社員のみだと結局は「お茶とはこうあるべき」という考えに戻ってしまうので、そこを打ち壊していくためにも新しい発想は必要です。

同社が運営する日本茶喫茶店「らさら荒田本店」では、日本茶や茶器、お茶菓子を選ぶところから「自分でお茶を淹れる」体験ができる。

長期的に関わっていくためには、「人柄」が重要

Tさんとのコミュニケーションの中で、気をつけている点などありますか。

下堂薗氏

窓口は担当者一人に絞って、意見もまとめて伝えるようにしています。Tさんのスピードに担当者がついていけない場合は、私もサポートに入りますが、基本的に窓口は一つにしてコミュニケーションをシンプルにしています

今後はどのようにTさんと業務を進めていく計画ですか。

下堂薗氏

お茶の売上は年間を通して波があるので、まずは1年間を通してTさんと一緒にやってみて、次のアクションを考えたいなと思っています。当面は、お茶が売れる春の新茶の時期を目指して、業務を進めていきます。

今後の人材戦略として、副業の活用は広げていこうと考えていますか。

下堂薗氏

SNSなどの領域を含め、増やしていきたいと考えています。必要なときに専門性を持った人材がいるのは、会社としても心強いですから。

最後に、lotsfulを活用した感想をお願いします。

下堂薗氏

副業人材の活用は今まで考えてこなかったので、今回とてもいいきっかけになりました。活用できる領域があれば、今後も試していきたいと思っています。

実は他の副業サービスも使ってみたのですが、lotsfulから紹介いただいた方は、スキルはもちろん、人柄も素晴らしい人ばかりでした。どんなに結果が出たとしても、お互い気持ち良く仕事ができなければ、長く続かないと思います。これからも人柄ベースで、長期的にお付き合いできる優秀な副業人材の採用を検討していきたいですね。

(編集・取材・文:眞田幸剛)

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