2020.06.25

【ウェビナーレポート】 lotsful代表・田中が副業を解説!コロナ禍で注目の「副業」は、新たな人材獲得手法になるか?


新型コロナウイルスの感染拡大により、経済活動や日常生活だけでなく、仕事の中身やはたらき方も大きく変化しています。この状況を乗り越えるため、
また”with/afterコロナ”時代を見据えて、いま何ができるのか?パーソルグループでは 「雇用と組織」「人材育成・開発」「地方・中小企業」「エンジニア採用・育成」など、コロナで変わる”はたらき方”をウェビナー形式で解説しています。

6月9日には、【ニーズ急増の「副業」のいまと今後―副業はあたらしい人材獲得の形となるのか】をテーマに、lotsful代表 田中みどりが登壇したウェビナーを開催。副業のニーズが高まる中、マーケットはいまどうなっているのか、今後どうなっていくのか、さらに、企業は人材獲得に副業をどう活用できるのか。――はたらく個人・企業それぞれの観点から、田中が語った内容をご紹介していきます。



▲パーソルイノベーション株式会社 lotsful 代表 田中みどり

副業を取り巻く環境

副業とは⼀般的に、「収⼊を得るために携わる本業以外の仕事」という意味になります。ですが、lotsfulでは副業を「本業だけでは得られない、⾃⾝の成⻑につながる挑戦」と再定義し、副業人材と企業をマッチングしています。そして今回は、サービスを提供してきた中での経験や知識をみなさまにお伝えします。

●なぜ副業が注目されているのか?
日本ではこれからさらに、人手不足が大きな社会問題となります。2030年には644万人の労働人口が不足されると予測され、サービス業や医療・福祉の人手不足がますます深刻化していくでしょう。

製品・サービスのライフサイクルも短命化しており、企業寿命は約24年となっています。一方で、人生100年時代を迎え、2050年には100歳以上の高齢者が50万人を超えると言われています。

そうした背景から、定年延長によって70歳まで働ける環境へと日本は変化し続けています。仮に20歳から働くとなれば、50年も働くことになります。しかし、企業寿命はその半分にも満たない。そのため、1つのキャリアで職業寿命を全うすることが難しい。だからこそ、学び直しやキャリアチェンジが一層必要になっていくのです。

それらを踏まえ、2017年に「働き方改革実行計画」が9つのテーマで設定されました。そして、「柔軟な働き方」というテーマも含まれ、テレワーク推進、副業・兼業のガイドラインが定められています。こうした動きによって、副業・兼業を解禁する企業が増加。2018年は「副業元年」と言われるようになったのです。

<取り巻く環境まとめ>
■生産年齢人口、労働力人口の減少による人手不足。加速化する市場において、変化に対応する働き方の改革が必要。
■人生100年時代の到来で、単線型のキャリアパスの終焉。学び直し、第二のキャリアに副業は有効。
■ライフステージにあったキャリアを柔軟に選べる環境づくりの中で、政府も副業・兼業を後押し。

●企業の変化
企業側の変化としては、テレワークの導入が進んでいます。特に大手企業を中心に広まっており、最新のデータでは、従業員数2000人以上の企業では38.7%が導入しています。今回のコロナ禍によって、その動きはますます加速していくでしょう。



ただし、フレックスタイム制に関しては減少傾向にあり、導入していても運用しきれていない企業も目立っています。

副業に関しては徐々に浸透しており、条件つきを含めると容認状況はおよそ50%ほどになっています。業種別では情報通信業、宿泊業、飲食サービス業が多く、ここ3年以内に容認を解禁している企業が目立っています。



<副業に関する「企業の変化」のまとめ>
■柔軟な働き方を促進するためのテレワーク導入企業は、コロナがきっかけに加速化・定着する可能性が高い。
■フレックスタイム制の導入企業の割合は減っており、稼働タイミングにおける業務遂行の工夫や、労務管理の取り組みが今後求められる。
■副業の容認企業は5割を超え、今後も拡大していくと予測される。

●個人の変化
次に、はたらく個人側の変化を見ていきたいと思います。現在、3割の社会人が副業をしているというデータがあります。また、およそ7割の社会人が副業に興味があるという調査データも。さらに、副業の動機は「収入補填」の次に「自己実現」や「キャリアアップ」といった回答があり、活躍の場を求めている傾向が見てとれます。

次に、副業の平均月収を見ていきます。副業者1082名を対象に行った調査では、平均月収は6.82万円となっているため、作業的な案件が多いのではないかと推測されます。なお、lotsfulでご紹介する案件は、戦略的な部分から入るものが多いため、もう少し平均月収が高くなるイメージです。

副業にチャレンジできない理由は、「時間がない」に次いで「副業の探し方、やり方が分からない」という回答が多くありました。

また、キャリアアップに繋がる案件が多いとは言えないのが、今の副業マーケットの実情と言えます。以下のように大手企業の案件があったとしても応募者が殺到しており、副業人材の受け皿が少ないのが現状です。

 

<副業に関する「個人の変化」のまとめ>
■副業解禁後、副業経験者は増加。未経験だが、副業に意欲的な人材も多く、コロナ禍でテレワークも進む中で、より高まっている。
■副業動機は、収入補填に次いで、自身のキャリアップが多い。
■一方で、副業者を受け入れる企業はまだまだ少なく、副業希望に関わらず、わからない・探せない個人も多い。

 

成長できる副業サイクルを作るために必要なことは?

●受け入れ企業はまだまだ少ない
個人の働き方が多様化する中で、ニーズに合わせたアプローチをとることにより、優秀な人材を確保することができます。しかし、先ほどお話ししたように、副業を受け入れる企業がまだまだ少ない点が、副業活用が加速しないボトルネックの1つになっています。lotsfulでは、副業活用での成功事例を企業や個人の皆さまと創っていくことで、日本の抱える労働市場の課題を解決していきたいと考えています。

 

●副業解禁・副業受け入れは、企業にどのような影響を与えるか?

・採用活動
正社員としては採用が難しい「高収入で優秀な人材」が、副業だとジョインしやすくなります。フルタイムでの給与ではないため、ベンチャー企業でも採用率が高くなります。また、企業と転職者のミスマッチを防ぐために、まずは副業から始めてみるという動きも、採用活動のひとつの形になるのではないでしょうか。

・エンゲージメント
副業によって、スキル・キャリアの向上や⼈脈の広がりを実感することにより、社員のモチベーションが向上します。また、優秀な外部⼈材との業務を通じることで、⾃社メンバーのモチベーションもアップすることが見込めます。

・イノベーション
副業人材による「社外の知見」を取り入れることで、新しい発想、アプローチが学べます。またプロフェッショナルとしての経験を持つ人材を入れることにより、新規事業など新しい試みが加速しやすくなります。

●自社で副業を解禁する場合、どのように取り組めばいいのか?

・自社のルール作り
キャリアアップに繋がる副業のみ認める、競合などでの副業は禁止、機密情報や通常業務に支障をきたさないなど、自社の事業に合わせたルールや誓約条件などを作る必要があります。

・定期的なフォロー体制
社員の労働時間や健康状態を把握する。副業のアドバイスを行ったり、社内ツールで全社に共有するのも有効です。

・まずは社内から実践

社内の他部署やグループ会社で社員が副業人材として入り、副業を体験することも有効です。


●自社で副業社員を受け入れる場合

・自社ニーズの洗い出し
まずは自社の課題を洗い出すことが重要です。下記の図は、よくいただく課題・ニーズ例を企業ステージごとにまとめています。

・可能な限り権限付与・情報開示
NDAを締結し、可能な限りアクセス権限を付与して情報開⽰を⾏います。限られた時間で優秀な⼈材にパフォーマンスを発揮してもらうためには、情報開⽰が不可⽋です。そうした対応が、副業人材のモチベーションに影響します。

・ITツールを活⽤し、リモートコミュニケーション促進
slackなどのツールを活用しながら、リモートでも円滑にコミュニケーションが取れる体制を構築します。さらに、副業人材のコミュニケーション相⼿は複数ではなく、1⼈窓⼝となる人が情報の集約やフォローとしてつくと効果的です。

・ゴールイメージ共有、マイルストン設定、進捗確認の仕組み
契約は、短期スパンで業務内容の詳細を明確にし、チューニングを行いながら継続していきます。プロジェクトスタート時は副業人材も含めて、関係者でキックオフを実施し、マイルストンを設定します。週に1回は副業人材と定例MTGを開催し、本音で話し合える関係性を構築していくとPDCAも回しやすくなるでしょう

<今回のウェビナーのまとめ>
■2018年副業元年以降、個人の副業意欲は急速に高まっている。
■副業希望者に対し、受け入れ企業が足りていない。
■企業は多様な働き方を受け入れ、働き方改革に取り組まなければ、優秀な人材を確保し続けることは困難になる。
■一方、副業をうまく活用すれば、その時々で優秀な人材をフレキシブルに登用できる可能性が高まっている。
■個人と企業が成長する副業サイクルを作るには、新たなルールや成功事例を作っていく必要がある。

 

当日の質疑応答なども含めた全内容はこちらの動画よりご視聴ください。

https://youtu.be/uFiYs6DuJ5c

(編集・取材・文:眞田幸剛)