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「新規事業こそ副業人材を活用すべき」――面談から採用まで1週間、期待を上回るスピードと成果で事業が加速

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今回、「lotsful magazine」が取り上げるのは、パーソルグループの新規事業の一つ、「Sync Up」(シンクアップ)の副業人材活用事例です。

Sync Upは、お店の生産性を向上させるためのシフト管理サービスを提供。誰でも簡単に導入できる使い勝手の良さと、データ分析・解析を可能にするオールインワンのサービスとして実績を伸ばしています。

そんなSync Upではlotsful経由して、2022年1月から『営業・カスタマーサクセス(以下CS)』と『デジタルマーケティング』、『イベント企画』の3ポジションで、副業人材の活用を同時にスタートさせました。なぜこのタイミングで複数名の副業人材を活用することになったのか。また、スピードが求められる新規事業において、副業人材がどのような実績・成果を残しているのか。Sync Upの事業責任者である竹下壮太郎氏にお話を伺いました。

会社情報

パーソルイノベーション株式会社 新規事業創造・オープンイノベーション推進、管理並びにそれに付帯する業務
設立年 2019年4月1日
社員数 10名(Sync Up事業)
副業活用ポジション 営業・CS、デジタルマーケティング、イベント企画(3名)

パーソルイノベーション株式会社 Sync Up事業責任者 竹下壮太郎 氏

2011年に新卒でインテリジェンス(現・パーソルキャリア)に入社。九州でアルバイト領域の採用支援に携わり、九州支社内では過去最多の月間取引社数を達成。その後、首都圏へ異動し全国に展開する飲食店やコンビニエンスストア、物流会社などを担当。2017年4月よりSync Up立ち上げのため、グループ内のパーソルイノベーション株式会社に異動し、現在に至る。

面談から採用まで1週間以内で完結した

Sync Upでは、2022年1月から3つのポジションで同時に副業人材の活用をスタートさせました。まずはその背景を教えてください。

竹下氏

事業が拡大フェーズに移ったのが、大きな理由です。2021年度の下期がスタートする秋頃は新型コロナウイルスの感染者数も少なく、そのタイミングで営業も軌道に乗り始めました。しかし、そこでメンバーが抜けることに。サービスへのニーズが高まっているのに、マンパワーが足りない状態になってしまいました。そのカバーを副業人材に任せることにしたのです。

なるほど。では、ニーズが高まっている中で具体的にどのような課題があったのでしょうか。

竹下氏

ニーズが高まることで、商談と導入顧客が増えていきました。その結果、ビジネスサイドの人材が不足するようになったのです。特に、営業とCSチームは危機的な状態でした。アポイントが月間100件を超えているのに、それを2人で回していましたから。

このままでは営業の質が下がり、残業は増え、機会ロスが発生するという負のスパイラルに陥るリスクがあります。そうした課題を乗り越えるために、オペレーションを整備しつつ、アポイントをさばけるようにしようと考えました。そこで、副業人材を活用することにより、体制を強化しようと決めたのです。

なぜ正社員などを採用せずに、副業人材を活用しようと考えたのですか?

竹下氏

実はもともと、ビジネスサイド、特に顧客対応に関連するような業務をスポットで切り出すという発想自体なかったのですが、正社員ですと、採用までのリードタイムが長くなってしまいます。そこで、副業人材の採用スケジュールをlotsfulに相談してみると、リードタイムを短縮できることがわかり、スピード感をもって体制の強化を目指せると感じました。実際に面談してみると、これまで出会えなかったような優秀な人材に本当に会えたので、驚きましたね。

副業人材に業務を任せるという選択肢を提示され、さらに会ってみると優秀な人がきたと。

竹下氏

IT系メガベンチャーで事業開発を担当したり、そこから出向して飲食系の宅配サービスに携わっていたりと、豊富な経験をお持ちの方です。面談で実際にお会いしても信頼できるなと感じました。面談から採用までも、実質1週間かかっていません。求める人物像を共有したら、次の日には面談設定がくるといったスピード感でしたから。

期待を上回るスピードとクオリティ

実際にどんな仕事を任せて、結果が出ていますか。

竹下氏

『営業・CS』をお任せしているOさんには、プロダクトや顧客知識をインプットする時間を1ヶ月ほど用意しました。CSは属人化しやすく、特にこうした知識が必要でしたので。しかし、Oさんはこのインプットを、1週間ほどで完了させてしまったんです。それから、当月にはお客様に出す資料を作成して、2、3回ほど手直しも行い、形にしてくれました。さらに、2ヶ月目には、大手企業にSync Upのサービス導入の意思決定を促すためのストーリー作り・資料作成まで完成させました。

私は3ヶ月くらいで、提案に使える資料が完成すればと思っていたのですが、それを大幅に前倒しして実現してくれたのです。今では、展示会での商談やクロージングにも、Oさんが作成した資料を使うようになりました。

今後、Oさんに任せる業務などはあるのですか。

竹下氏

現在、事業の選択と集中を進めており、100店舗以上を運営する大企業へのアプローチに注力できる体制を整えたいと考えています。サービス導入に向けた資料が、まだまだ属人化されていますので、それらを共通のメソッドに落とし込んでいく作業を任せていく予定です。

『営業・CS』以外の2ポジションについてもお聞かせください。『デジタルマーケティング』ではスタートアップで活躍するAさん、『イベント企画』では各種情報サービスを提供する上場企業で働くSさんが副業人材としてジョインしていると伺いました。Aさん・Sさんには、どのようなことを任せていますか?

竹下氏

『デジタルマーケティング』に関しては、リード獲得のためのタッチポイントを増やしていきたいと考えていました。今までは私自身が片手間でやっていたのですが、Aさんに任せてからはリード獲得が6倍になりました。そもそも、きちんと取り組めていなかったのですが、それでもこの伸びは凄いですよね。

『イベント企画』に関しては、Sさんに企画をどんどん出してもらっている段階です。社内でイベント企画を考えると、飲食・小売が気になることを考えようと、バイアスがかかってしまうのですが、Sさんは様々な視点からアイデアを出してくれます。

たとえば、飲食業や法令遵守に詳しいYouTuberを見つけて、私たちにコネクトしてくれたり。そのおかげで、「こんな新しい企画にしよう」と既存社員の考えに幅が出るようになりました。今までにない視点が入って、イベント企画も非常に助かっていますね。

新規事業ほど、副業人材を活用するべき

3名の副業人材がジョインして、既存社員の反応はいかがでしょうか。

竹下氏

とても評判がいいですよ。『営業・CS』を任せているOさんは、毎週チームミーティングにも参加しています。社員も「レベルが高くてすごい!」と言っていますから(笑)。CSは2名の社員が担当しているのですが、Oさんのおかげで目線が上がり、成長していますね。ミーティングにも程よい緊張感が生まれ、ピリッとした良い雰囲気になってきました。

副業人材を受け入れてみて、難しいと感じた部分はありましたか?

竹下氏

受け入れの際の反省点が、ひとつあります。最初は業務を細かく切り出した方がよいと考え、お願いしたいことをTo Doベースで書き出したアジェンダを作ってミーティングに臨んでいました。しかし、いざ始めてみると、皆さん想像以上のエキスパートだったので、こちらが任せる業務を固定してしまうと、彼らの持ち味を削いでしまうなと感じました。タスクベースではなく、課題ベースで何に取り組むべきかから一緒に考えていただいた方が、副業人材も動きやすいことがわかったんです。こちらが相談すると、「その課題はこうした方がいい」とマイルストーンを彼らが置き直してくれますから。

副業人材の仕事を見て、ご自身が感じるところはありましたか。

竹下氏

たとえ1時間のミーティングだとしても、プロとしてこちらの期待以上のものを出してくれるのは、素晴らしいなと感じています。

一方で、業界・業務知識の少ない彼らが「もっと行動していこう」と動機付けできるように、私も事業の魅力や、なぜその課題に取り組んでいくのかといった理由を、的確に伝えるスキルを磨くことができました。事業としてなぜその課題と向き合うのか、それを改めて考えるきっかけになりましたね。

副業人材に対するイメージは、活用する前と比べて変わりましたか。

竹下氏

実は活用前は、あまりいいイメージを持っていなかったのですが、180度変わりましたね。プロとしての意見を尊重しながら関わることで、彼らは高いパフォーマンスを発揮してくれます。事業を伸ばしていくために、副業人材の活用は有効です。特に新規事業を推進する企業なら、活用するべきですよ。

副業で活躍できるのは、どんな人だと思いますか。

竹下氏

やはりエキスパートで、特定の分野をやり切った実績のある方ですね。そうした専門性を他の業界でも活かしたい、試してみたいと思っている人は活躍できると思います。一方で、「今の仕事が嫌だから、副業でも始めてみよう」と思っているような人だと、活躍は厳しいでしょう。

最後にlotsfulを活用した感想をお願いします。

竹下氏

副業人材は視点を広げてくれる、外から見た気づきを与えてくれる貴重な存在だと思います。新規事業を加速させるなら、すぐにでも活用するべきだと思いますね。また、副業はエンジニア系のポジションの活用が盛んですが、ビジネスサイドでも十分活躍できることがわかりました。他の企業も早くそこに目を向けるべきだと、個人的には思っています。

(編集・取材・文:眞田幸剛)

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