正社員は0名!副業人材と成長を続ける幼児食スタートアップ・homealの人材戦略
今回、「lotsful magazine」が取り上げるのは、幼児食ブランド「homeal(ホーミール)」を運営するhomeal株式会社の広報とPdMポジションの副業人材活用事例です。
2019年に創業したhomealでは現在25名ほどが働いていますが、3名の役員だけで正社員はおらず、その他は副業人材や業務委託だけでビジネスを展開。外部人材を積極的に活用しています。
そんな同社ではlotsful経由で、広報とPdMの2ポジションで副業人材を採用。さらなる事業成長を目指し、様々な施策を推進しています。なぜこのタイミングで広報とPdMの人材が必要だったのか。また、副業人材がどのような活躍を見せているのか。さらに、活用する上でのポイントなどを代表取締役の鬼海氏にお話を伺いました。
会社情報
homeal 株式会社 | 幼児向け冷凍食品の開発・販売 |
---|---|
設立年 | 2019年9月 |
社員数 | 25名(副業・業務委託等含む) |
副業活用ポジション | 広報(2名)・PdM |
homeal株式会社 代表取締役 鬼海 翔 氏
早稲田大学商学部を卒業後、2010年に株式会社ワークハピネスへ新卒入社。2016年12月、異業種連合により新事業・新会社を創出するオープンイノベーションプロジェクト「ニッポンイノベーター塾」を始動させる。同社退職後、2019年9月にhomeal株式会社を創業し、現在に至る。
正社員はゼロ。外部人材を活用しながら事業成長を目指す
鬼海氏
まずは、homealという事業の沿革について説明しますね。homealは2019年9月に創業していますが、最初の1年は冷凍幼児食のプロトタイプ的なサービスをテストマーケティングとして展開していました。それからちょうど1年後に、本格的にサービスをローンチさせました。最初の1年はとにかく、プロダクトを良くしていこうと。D2Cブランドだからこそ、お客様に選ばれるサービスになるため磨きをかけていきました。幼児食は子どもが食べてくれるかどうかで、その価値が決まりますから。
2020年に正式にサービスをローンチさせてからの2年目は、SNSやメールマーケティングを強化しました。ペイドメディアに頼らず、口コミや紹介などから新規顧客を生み出すことに注力。3年目からは世の中に広めるフェーズだと考え、積極的にメディアへリーチするため専任の広報が必要だと感じ、副業人材を募集することにしたのです。
鬼海氏
25名ほどが当社で働いていますが、役員の3名以外は副業か業務委託で正社員はいません。経営にもいろいろなアプローチの方法があると思いますが、私たちのビジネスの価値は幼児食ですので、そこに注力してお客さまに選ばれ続ければマネタイズできると考えています。そのため工場や倉庫、配送も全てアウトソーシング。その他、ビジネスに必要なITやシステム領域も、エンジニアを正社員で雇用するとコストも重たくなりますので、SaaSを活用しながらいかに顧客体験を創造できるかを考えています。
鬼海氏
これまでは役員が兼任していたのですが、顧客体験やWebの導線、新たな集客のための施策を考えながら、プロダクト開発まで全てを担うのは現実的ではありません。さらに、サービスを広げていく中で、プロジェクトの数も多くなってきましたので、このタイミングでPdMも副業人材で採用しようと決めました。
lotsfulが介在することで副業人材の切り替えもスムーズに
鬼海氏
他の副業サービスも利用してみたのですが、募集をしてもハイスペックか経験不足かの2種類の人材しか集まりませんでした。ハイスペック人材だと、年収のミニマムが800万円など、厳しいなと…。そこで私たちのビジョンに共感して、homealを成長させることにやりがいを感じてもらえるような副業人材を探すことにしました。それにマッチした副業サービスが、lotsfulでした。
鬼海氏
Hさんに入ってもらった時は、広報の戦略的な取り組みはゼロの状態でした。そのため、広報戦略から考えてもらいました。私はとにかく、homealをテレビに取り上げてもらおうという頭しかなくて(笑)。Hさんからは、「もっと着実にできることがある」と諭されました。テレビでの露出のみを目指すのではなく、子育て中のメディア関係者に対して、メディアキャラバンをしていくという広報戦略を提案していただきました。まずは「homealを好きになってもらおう」と考え直したのです。
そこで子育て中の雑誌エディターの方々に、オンライン上でメディアキャラバンを実行。6媒体に提案することができました。具体的には、無料で商品を届け、メディアキャラバン中に実際に幼児食を食べてもらうという劇場型の提案をしました。このように、Hさんには私にない発想で広報活動を進めてもらいました。そのおかげで女性誌のWebメディアに取り上げられ、他のメディアにも転載されていきました。こうした流れを、今後もっと作っていきたいですね。
鬼海氏
Kさんに入れ替わる時は、ほぼ境目がないくらいスムーズでした。これはlotsfulのコミット力のおかげですね。Hさんの卒業が決まって、わずか3日くらいでKさん含め3名ほどの候補者をご紹介いただきました。その瞬発力はさすがです。
鬼海氏
Hさんのおかげで広報戦略の土台ができたので、具体的なプレスリリースをどうするかといったアクションを考えてもらっています。Kさんは調査レポート系のプレスリリースが得意なので、それを活用したメディアアプローチを検討中です。
当社にはすでに数万人のデータが集まっていますので、それらを分析し、さまざまな統計を出すことが可能です。調査系プレスリリースではそれらをもとに、子どもの魚と肉を食べる頻度のちがいなどを発信しました。こうした取り組みによって、メディアが幼児食に関わる企画を立てる際に、homealは参考になるデータを持っているという認知を広げていきたいですね。
これからは、そうしたデータに基づくプレスリリースを毎月1回は出していきたいです。このようなプレスリリースの企画から制作までをKさんに任せ、私は確認だけで問題ないので非常に助かっています。今回はいいタイミングで担当者を切り替えることができたと思っています。
鬼海氏
PdMを任せているNさんは、1を10にするのが強いタイプで。まさに当社が求めていた人材でしたね。私や他の役員は新しいことを考えるのが得意なのですが、形を作っても「あとはどうしようか?」と放置されているものがたくさんあって(笑)。
それらを具体的な形に落とし込んだり、データにまとめてもらい、どうグロースさせていくかといった業務をお任せしています。業務の切り出しは、グロース定例というミーティングを開催し、その中で決定していますね。
社内外の壁をなくし、サービスを好きになってもらう
鬼海氏
広報で入っていただいたHさんが良い例で、当社から卒業した後も、いちユーザーとしてhomealの商品を使ってくれているんですね。やはり副業人材にも、関わるサービス・プロダクトを好きになってもらうことが重要だと思います。
私はどんな方と関わっていても、「関係人口を増やしている」という考えでビジネスを進めています。プロダクトを知人・友人に紹介してくれれば、当社の業務から離れたとしても、その人が強烈なインフルエンサーになってくれますから。
サービスやプロダクトを好きになってもらうには、会社の内と外のギャップをできるだけなくすことが大切です。
鬼海氏
基本的に社内の数字は、副業人材にも開示しています。社内のシステムにログインすれば、売り上げなども見ることが可能です。全体共有していないのは、人事情報や報酬体系くらいですね。広報専任の方であっても、開発状況など社内のことが理解できるように、プロジェクトシートを作成して全機能を可視化させています。定例ミーティングの冒頭にそのシートを使って、各機能の進捗を説明しています。
鬼海氏
当社の場合ですと、CSのメンバーポジションは相性が良くないと思います。お客様からいつ問い合わせや相談がくるかわからないので、スピーディーに対応するには、ある程度の時間のコミットが必要となります。一方、セールスに関しては、ジョブスクリプトがあれば任せられると思います。
広報や企画、デザインといった、時間の制約があまりないポジションは相性が良いですね。優秀な人であればあるほど、今後はお金だけの力でその人の時間を囲い込もうとするのは、難しくなっていくと考えています。
鬼海氏
既存の人材サービスにない価値があると思っています。副業人材のパフォーマンスを見ても、他の手段で彼らのような人材を採用するのは難しいと実感しています。
(編集・取材・文:眞田幸剛)
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