2021.10.11

「副業人材はチームの一員」――旅行系ベンチャー×コロナ禍の事業転換を支える営業人材


今回、「lotsful magazine」が取り上げるのは、女子旅促進サービスのプラットフォーム及びコミュニティ事業を展開するベンチャー企業・バリーズ株式会社の副業人材活用事例です。

ミレニアル世代を中心とした”女子旅”の需要拡大を目指し、旅行メディア「TabiMUSE(タビミューズ)」など様々なサービスを展開する同社。元々は海外旅行にフォーカスしたサービスを提供していましたが、新型コロナウイルスの影響により国内旅行に関わる事業も手がけることに。しかし、同社には国内旅行に関する知見やノウハウ、地方自治体とのネットワークが不足していたため、営業活動に限界を感じていたそうです。

そのような課題を打破すべく、lotsfulを通して国内旅行ビジネスに精通した副業人材を営業担当として採用しました。新型コロナウイルスの影響を受ける中、どのように副業人材を活用しながら、ビジネス拡大を目指しているのでしょうか?広報・PRから新規事業開発まで幅広く担当する平松ゆい氏にお話を伺いました。

バリーズ株式会社 :ミレニアル女性×旅を軸とした事業を展開
設立年 :2014年12月5日
社員数:6名
副業活用ポジション:自治体連携・営業


■バリーズ株式会社 マーケティングソリューション事業部 平松ゆい氏
新卒でPR代理店に入社後、おもちゃメーカーに転職。オウンドメディアの立ち上げや運営などさまざまな経験を積み、2019年11月にバリーズ株式会社へ。PR広報戦略業務から新規事業開発、営業活動まで幅広い業務に携わっている。

コロナ禍による事業のピボットがきっかけとなり、副業人材を採用

――まずは、副業人材を活用しようと思ったきっかけなどを教えてください。

平松氏 : 当社はミレニアル世代の女性に向けて海外旅行に対する需要拡大を目指し、メディアでの情報発信などを展開してきましたが、コロナ禍となり、それらの事業が難しくなってしまいました。そこで、注力する事業領域のひとつとして、国内旅行にも目を向ける事にしました。

しかし、海外旅行を事業に軸に置いてきた当社では、国内旅行に関する知見やノウハウが不足していました。自分たちができる範囲でテレアポやウェビナーなどを行い、徐々にですが実績も上がってきたのですが、効率的に業務を進められず限界を感じていました。

また、当社の採用活動はカルチャーフィットを重要視した正社員採用が中心だったため、採用工数がとてもかかっていたんですね。そこで、現状をスピーディーに打破するためには、従来の採用を進めるのではなく、プロの知見を持った副業人材を活用した方が有効ではないかと考えたのです。そこで、国内旅行の知見を持ち、地方自治体とのネットワークを有する人材を採用したいと、lotsfulに相談することにしました。

――そうした中で、大手旅行会社に勤めるHさんを営業として採用しました。

平松氏 : 実はもう一人面接をしていて、そちらも経験のある魅力的な方だったんです。ただ、Hさんの方が現場目線で物事を考え、自ら手を動かしていきたい」という意思を強く持っていましたそういった人材の方が、私たちの組織に合うと考え、採用することに決めたんです。Hさんは業界大手の旅行会社で身に付けた経験・ノウハウもありましたので、まさに当社が探していた方でしたね。


▲旅を愛する女性のための海外旅行メディア『TabiMUSE(タビミューズ)』、ミレニアル世代のための女子旅コミュニティコマースなど様々なサービスを提供するバリーズ株式会社。

副業人材の活躍で、大手旅行会社とパートナー契約

――実際にどのような業務をお任せしているのですか?

平松氏 : Hさんにジョインいただいて、およそ半年ほどになります。当社で働いていただく際に、二つのことをお願いしました。一つが、Hさんがよく知る大手旅行会社に、バリーズの情報を広めてもらうことです。

というのも、その会社から女子旅に関するお問い合わせが、以前から当社にあったのですが、情報が行き届いておらず、連絡をいただくたびに私たちのことを説明する必要がありました。そうした工数を減らしつつ、その会社の中で当社の認知度を高めていただく方法がないかとHさんに相談しました。

その甲斐もあり、その会社とパートナー契約を結ぶことができました。社内向けウェビナーなどを通して、各営業部担当者に当社を知っていただく機会などを設けさせていただきました。

そして、もう一つお願いしたことが、当社の売上などを包み隠さず共有して、今足りていない分をどのようにカバーしていくかを一緒に考えていただくことです。

――売上アップに関しては、具体的にはどのような動きをしていますか。

平松氏 : 観光客を誘致したい地方自治体に対して、積極的に営業をしてもらっています。さらに、今まで当社にネットワークもなく、リーチできなかった地方自治体に対して「こういった切り口だったら提案できますよ」とHさんがアドバイスをしてくれることもありますね。また、自ら手を動かし、提案のための資料作成なども担当してくれて、非常に助かっています。

――副業人材を活用する中で、気をつけているポイントなどはありますか。

平松氏 : 特に気をつけていることはありません。Hさんも私たちのコミュニケーションの取り方に、すぐに慣れてくれました。やり取りはほぼ毎日Slackで行っています。定例会も週一で開催。売上などの経営に関わる情報も開示しています。

ベンチャーでは日々状況が変わっていきますので、情報を伝えない方がマイナスです。なので、Hさんには数値情報はしっかりと共有しています。単に作業をお願いするだけではなく、その上の事業計画や目的から共有するようにしました。そうした関わり方によって、Hさんも当社のことを”自分ごと化”してくれていて、それがモチベーションの一つになっているのだと思います。

分け隔てなく、「チームの一員」に

――冒頭のお話の中で、今まではカルチャーフィットする正社員を採用してきたと仰っていました。副業人材を活用してから、その考えに変化はありましたか?

平松氏 : 考え方はかなり変わりましたね。当社はこれから成長を目指していく企業ですので、ミッションやバリューに関して定まっていない部分があります。理想だけが高い状態で入社されても、お互い不幸になってしまう可能性もあるでしょう。現状では正社員を増やすのではなく、プロフェッショナルな副業人材をリソースが不足しているポジションに入れながら、事業を拡大していく方が合っているのではと思っています。

――逆に、副業人材を活用するデメリットはありますか。

平松氏 : Hさんと関わる中で、デメリットを感じたことはありません。ただ、働き方がコロナ以前のような、毎日出社している状態でしたら、リモートを中心とした仕事のやり方に違和感があったかもしれませんね。

スムーズに業務が進んでいるのは、最初の段階で「お互いチームの一員として関わっていこう」と合意が取れていたからだと思います。どちらかが指示をして、どちらかが手を動かすといった関係性ではなく、それぞれが足りない部分を補っていくイメージですね。

また、Hさんが時間をうまく使いながら業務を行なってくれているので、連絡が滞ることもほとんどありません。分からないことがあれば、お互いSlackで質問しながら進めています。当社の情報は隠さず共有していますので、半年後の売り上げのために、どんな種まきをしていくかといった話し合いもするようになりましたね。

――社内情報を共有するのに抵抗はありませんでしたか。

平松氏 : もちろん、最初から全てを共有したわけではありません。最初の1ヶ月くらいで、この方なら信頼できると思い開示しました。優秀な人材だと情報を知っていた方が、仕事の精度がさらに高まりますので、そのメリットも考えた上で共有しました。また、lotsful経由での採用のため、契約まわりやルールなどもしっかりしているので情報開示に不安がなかったのかもしれません。

――その他、副業人材と関わる中で、気をつけているポイントは?

平松氏 : こうしたご時世なので飲み会などは開催できていませんが、ランチには一度だけ行きました。社員と同じようにチームの一員として関わっていますので、他人行儀になることもありません。Slackでは業務の話だけでなく、「この前、こんなことがあって大変だったんですよ」といった、同僚とするような会話も遠慮なくしています。これまでにHさんに直接お会いしたのは3回程度ですが、それ以上の関係性が構築できているのではないでしょうか。

――ベンチャーなど成長過程にある企業が、副業人材を活用する価値はどこにあると感じますか?

平松氏 : ベンチャーの場合、一人ひとりが多くのことをやらなくてはなりません。そうした状況下において、副業人材のようなその道のプロがいれば、少人数の組織でも質の高いアウトプットを目指すことができます。また、時間をかけて正社員採用を進めるよりも、採用コストを抑えながら、スピード感を持って求める人材を見つけることができます。これはベンチャーにとって、かなりのメリットであり価値になるはずです。

――最後にlotsfulを活用したご感想をお聞かせください。

平松氏 : 正社員採用ではなかなか出会うことのできない、プロフェッショナルな人材と出会えるのがlotsfulだと思います。このサービスに登録しているだけで、一定の水準をクリアした人材であることも分かります。さらにそこから、企業にマッチする人材を効率的に提案してもらえるのは、このサービス最大の魅力だと思います。

(編集・取材・文:眞田幸剛)

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